「涙なくしては語れない話」
普段は少々踏んづけられても泣かないのに、寒いと涙が出てくるあたくし。それ も少し滲む程度ならいいのだけど、頬をつたうほどの勢い。 さらに困ったことには、冷えた屋外から暖かい建物に入った途端、ぽろぽろと流 れ落ちる。
この間も寒いみぞれ混じりの雨の中、てくてくと歩いて銀行に行ったら、ATM の行列に並ぶと同時に流れ落ちる涙。。うわんっ、困った。列はZ形を押しつぶ したように並んでいるので、先に並んでいる方々とは間近にすれ違うような「こ んにちは状態」。
派手なコートを着たおばちゃまが、早くもしげしげと見つめて いる。その後ろにいる30代とおぼしきサラリーマン風の男性は、一瞬「なんな んだこの女」とちょっと驚いたような表情を見せたけど、視線を合わさないよう に違う方を向いた。あたくしはマフラーで隠すようにして、涙を拭き続ける。
でもこれが、あなたっ、すぐ止まらないのよね。寒ければ寒い程、それに比例し て涙の量も流れる時間も長いんだもん。そして、列が動くたびに新たな目撃者が 増えていく。。
『この女、悪い男に脅されて金を下ろしにきたんだろーか。。』、『?何泣いて んの?この人』、『借金が・・大変なのね、きっと』。。声なき声が聞こえてく るよう・・。
顔を覆い隠すモノ・・、そう目出し帽のようなのをかぶっていけばいいかな?で もそれだと別の意味で怪しすぎるもんね。。 春が待ち遠しゅうございます。。