うかつなツブヤキ.35

「フリーター漂流」

録画していた2年前のNHKスペシャル「フリーター漂流」を見た。今ドキくん たちを淡々とスケッチするような、もう少し軽い雰囲気を予想してたんだけど・・ 一気に気持がどよーんと曇る何ともやり切れない内容。

出てくるのは「請負会社」と契約し、地元から遠く離れた精密機器工場で働くこ とになったフリーターくんたち。21歳のいかにもの子もいれば、25歳の既婚 者、35歳・未婚で初めて親元を離れる人もいる。立場はまちまちだけど、3人 とも全国で失業率ワースト1の北海道から茨木の工場へ送り込まれる。

この請負会社ってのは人材派遣とは違い、人を送り込むだけではなく、その工場 から仕事を請け負い、それを契約したフリーターがちゃんと現場でやるように指 導監督するシステム(あたくしも初めてこーゆーのがあると知りました)。

ところが、やっと少し仕事に慣れたかと思うと、それが短いと数日長くても2〜 3週間でどんどん変えられていく。こうなるのには、携帯電話が次々とモデルチ ェンジを求められるメーカーの事情→安い中国の労働力に対抗するにはそれに対 応せざるを得ない工場側の事情などがある。

でも・・酷いんだなあ、これが。携帯の基盤に特殊な塗料を塗ったり、細かな組 み立てをしたり、どれもが気を抜けない単調な作業で、やっと少しコツを覚えて も次の日いきなり「別の工場で別の作業をするように」指示される。そしてまた 新たな作業を一から覚え、慣れるか慣れないかの頃にまた次へと否応なく回され る。さらにノルマが課されてるから、それが終わるまでは残業しなきゃならない。

それにグループのリーダーにされた人は、他のメンバーの進行や出来具合もチェ ックしなくちゃならないし工場側との細かな調整もしなくちゃならないし、自分 のノルマも当然仕上げないと帰れない。しかもそのリーダーとしての別報酬はな い。。

リーダーにされた25歳の人は、とうとう過労とストレスで倒れ、1週間休まな くてはならなくなる。回復して休んだ分を取り戻そうと現場に戻ると、これまた 生産調整で見込んでいた分ほどの仕事がない。そんなこんなで、彼は19日も働 いたのにその月の給与は7万足らず・・。請負会社の説明では月収入が約24万 だと聞かされてたのに、住み込みの寮費や光熱費、休んだ分などを引かれたらそ んな金額で彼は6ヶ月契約だった請負会社を辞める。

この25歳の彼ではなく、すぐに飽きてキレるような自分の方に問題があるフリ ーターも中にはいるけど、こうして契約期間満期を待たずに半数の人が辞めてい くのも分かるような気がした。でも地元北海道では仕事が無いから、再び彼らは こうした仕事を求め、日本各地の工場を渡り歩く「漂流生活」をする。。

フリーターというどこか気楽な響きが、これを見て変わった。 日本の製造現場では彼らのこの便利な労働力が不可欠、でもそれはまさしく使い 捨てで、その人の将来に繋がっていくようなものは何もない。だけどこれ以外の 選択肢もほとんどない・・。

こんな生活をしてたら、気持が荒み、自暴自棄になっていってしまう人も多いだ ろう。あちこちで起きる事件も、こうしたことに無関係ではない気がする。

この放送があってから2年たった今。彼らの環境は少しは変わったのだろうか。 とても気になる。

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